乾燥試薬

遺伝子検査試薬の乾燥化

『 室温での輸送・室温での保管が可能 』

ニッポンジーンマテリアルでは、様々な乾燥条件を検討することにより、室温での輸送や、室温の保管が可能な乾燥試薬の製造方法を確立しました。これにより、長距離の輸送にも保冷剤やドライアイスが不要で電力供給が不安定な地域でもライフサイエンス試薬が利用可能になりました。


乾燥試薬キットの利点


LAMP法乾燥試薬キットの例

・LAMP法に必要な全ての構成試薬を内包  (LAMP: Loop-mediated Isothermal Amplification)

LAMP法乾燥試薬の安定性
25℃または45℃で長期間保管しても製造時の性能を保持
(液状の冷凍保管試薬と同等の安定性)


PCR法乾燥試薬キットの例

・PCR法に必要な全ての構成試薬を内包  (PCR: Polymerase Chain Reaction)

PCR法乾燥試薬と緑色蛍光インターカレーターを用いたリアルタイム定量PCR

PCR法乾燥試薬と緑色蛍光インターカレーターを用いたリアルタイム定量PCR

25℃または45℃で長期間保管しても製造時の性能を保持 (液状の冷凍保管試薬と同等の安定性)


開発の背景

ニッポンジーン マテリアルでは2016年に遺伝子検査試薬の乾燥化技術を開発、製造技術を確立し、室温での輸送・室温での保管が可能な世界初のファイトプラズマユニバーサル検出キット (※) を製品化しました。
乾燥化によって、これまで冷凍、冷蔵による試薬の輸送・保管が困難であった世界のあらゆる地域への提供・利用が可能となりました。

※ファイトプラズマユニバーサル検出キット
ファイトプラズマとは、イネなどの重要作物、野菜、花き、樹木などを枯らして農業生産に甚大な被害をもたらす植物病です。本検出キットは、東京大学との共同研究により、あらゆるファイトプラズマを網羅的に検出できる乾燥試薬を用いた冷凍・冷蔵不要な遺伝子検査キットです。

「ファイトプラズマユニバーサル検出キット」乾燥遺伝子検査キット

「ファイトプラズマユニバーサル検出キット」乾燥遺伝子検査キット

上段: ファイトプラズマ検出用乾燥試薬

下段: 左から順に、抽出液、試薬溶解液、ミネラルオイル、陽性コントロール、陽性コントロール溶解液、陰性コントロール

ファイトプラズマユニバーサル検出キットによる判定結果

ファイトプラズマユニバーサル検出キットにより肉眼で明確に判定可能

左: 陰性(ファイトプラズマに非感染)

右: 陽性(ファイトプラズマに感染)

ファイトプラズマ

ファイトプラズマ感染により枯死したパプアニューギニアのココヤシ

ファイトプラズマ感染により枯死したパプアニューギニアのココヤシ

弊社が最初に取り組んだファイトプラズマは、1,000種類以上の植物に感染し、最終的には枯死に至らせる植物病で、治療方法が確立されておらず、キャッサバ、ココヤシ、バナナ、サトウキビなど広い範囲の植物に甚大な被害をもたらしています。東京大学植物病理学研究室の指導を受けて弊社親会社である株式会社ニッポンジーンが液状遺伝子検査キットを世界で初めて開発し発売しました。

ココヤシの被害に悩むパプアニューギニアで採用になりましたが、パプアニューギニアのような新興国では、試薬の輸送のみならず、保管や実際の使用現場において、冷凍・冷蔵設備の不備や頻繁な停電などにより、高温や日射などに伴う過酷な温度変化が想定されるため、過酷な環境での試薬の安定化が必要であることがわかりました。室温での輸送や長期保管に耐えるキットへの要望にこたえるため、弊社において乾燥遺伝子検査キットを開発いたしました。植物病における乾燥遺伝子検査キットは世界初です。

現在、パプアニューギニアの他、タイ、ベトナム、インドネシア、ソロモン諸島などで、試験していただいております。アジアや大洋州のみならず、アフリカや南米、中東からの問い合わせが寄せられてきており、乾燥遺伝子検査キット化の必要性を実感しています。


東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部プレスリリース

世界初! 冷凍・冷蔵不要で 簡易・迅速・超高感度・安価な遺伝子診断技術を開発 ―ファイトプラズマユニバーサル診断キット―
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/ae-b/cps/data/20170206.pdf


乾燥試薬を用いたココヤシの検査方法に関する動画を公開しています


公的プロジェクトの実施

■ 富山県平成28年度産学官連携推進事業に採択され、東京大学植物病理学研究室との共同研究契約を締結して「植物病害遺伝子診断キットの長期室温保存を可能とする乾燥試薬の開発」を実施しました。

■ 富山県平成29年度産学官連携推進事業に採択され、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)中央農業研究センターとの共同研究契約を締結して「土壌中のダイズ黒根腐病菌の迅速定量技術開発」を実施しました。


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